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である。その後、同TCP/IPは1982年に国防総省によって標準通信規約と定められた。この発展途上において使用されたSUNワークステーションには、通信規約にTCP/IPが組み込まれたUNIXが標準装備されていたこともあって、インターネットとともに発展していくことになる。

1995年は、世界的にインターネットが一大ブームを巻き起こした年で、“The year of Internet”とも呼ばれるほどの躍進を見せた。事実、1995年中にインターネットにつながるホストの数は、前年の約2.5倍のほぼ1,000万台に、さらに1996年7月には1,300万台に達した。また、ユーザ数も北米(アメリカとカナダ)だけで2,400万人を越えており、オンラインショッピングの経験者も250万人に達している。わが国におけるインターネットの利用は、1996年6月現在、45万台以上のホストがインターネットに接続されており、1995年から96年の1年間で約3倍に増加している。

また、わが国のインターネットプロバイダー数も急増しており、1996年8月末現在1,128社を越えている。これは、一次プロバイダー(大手)につながる2次プロバイダーが急速に増加したことによる。しかし、ユーザおよびプロバイダーの急増が、一方では回線の混雑を生んでいることも事実である。

NTTがマルチメディア時代の基礎サービスと位置づけ、NTT版インターネットサービスとも言われる新しいネットワークサービス、いわゆるOCN(オープン・コンピュータ・ネットワーク)サービスが間もなく開始されようとしている。1996年2月に発表された同サービスの概要によれば、128Kb/sの専用アクセスサービスが月額3万円から4万円の定額制となっており、他のプロバイダーにとっては非常に脅威となっている。特にこのクラスのサービスは、中小企業のユーザが圧倒的に多いだけに危機感が強い。一方、主として大企業が利用する同6Mb/s以上の専用線接続サービスは、プロバイダーとの格差はそれほど大きくない。また、最もユーザの多い公衆網経由のダイヤルアップ接続は、月額3千円に月5時間を越えた場合には従量制で料金が加算されることを考えれば、それほど安いとはいい難い。しかし、この場合でもアクセスポイント数については、特に都市部以外ではほとんど太刀打ちできない。図2-3-2および表2-3-4にそれぞれOCNネットワークの構成図とOCNサービスの内容を示した。

 

 

 

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